要点まとめ

兵庫県議の竹内英明氏が自死とみられる状況で、政治団体党首の立花孝志氏が「竹内氏は警察の逮捕を苦に自殺した」と発言しました。しかし、兵庫県警はこれを否定し、この発言が虚偽であることが判明しました。立花氏は後に発言を削除し謝罪しましたが、虚偽の事実による死者の名誉毀損罪が成立するかが議論されています。特に、「未必の故意」で罪が成立する可能性が焦点となっており、遺族感情や名誉の保護を考慮した適切な捜査と法的判断が求められています。

1月18日、兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑に関し兵庫県議会が設置した百条委員会のメンバーだった元県議の竹内英明氏が亡くなり、自死とみられている。その直後、死亡の原因について、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が、自身のYouTubeチャンネルで、

「(竹内氏を)逮捕すると県警は考えていたそうだが、それを苦に命を絶ったという情報が入っている。もうこれがほぼ間違いないと思います」

などと発言した。これについて、兵庫県警の捜査関係者が、各紙の取材に「任意聴取」「逮捕の予定」を否定したことを受け、立花氏は、

《警察の捜査妨害になる可能性があるので、竹内元県議の刑事事件に関する発信は削除させて頂きました!》

と投稿。一部書き込みや動画を削除した。

その後、20日に行われた兵庫県議会の警察常任委員会で、村井紀之県警本部長が質問に答えて、

「被疑者として任意の調べをしたことはありません、まして逮捕するという話は全くございません。全くの事実無根であり、明白な虚偽がSNSで拡散されているのは、極めて遺憾だと受け止めている」

と述べた。

これにより、立花氏のYouTube動画での「竹内氏が警察に逮捕されることを苦に命を絶った」という発言が虚偽であったことは確定的となった。

問題は、既に「死者」となっている竹内氏の名誉を毀損する立花氏の発言について、「死者の名誉毀損」の犯罪が成立するのか否かだ。

立花孝志氏 NHKから国民を守る党HPより