守備陣は昨季主力の多くが移籍となり、ほぼ総入れ替えの状態で新シーズンを迎えることとなっている。まず、守護神のGK朴一圭が古巣である横浜F・マリノスへと移籍。昨季チームが苦しい状況の中でもスーパーセーブを連発していた守備の要を失った。次に、センターバックでも主力を担ったDF山﨑浩介やDFキム・テヒョンがJ1クラブへ移籍。昨季FC東京から期限付きで加入し、26試合と多くの出場機会を得たパリ五輪代表のDF木村誠二も所属元へ復帰となり早急に新たな守備陣の構築が求められる。そして、サイドの選手でも強烈なミドルシュートなど攻撃面で活躍を見せていたDF原田亘が移籍。昨季フィールドプレーヤーで最長の出場時間となっていた選手をも手放すことになった。

一方で、新加入選手の獲得にも積極的な姿勢が見られた。新たな守護神候補としては、鹿児島ユナイテッドから加入のGK泉森涼太とセレッソ大阪から加わるGKヤン・ハンビンに注目だ。ともに高いセービング力を誇り、最後方からプレーでチームを鼓舞する働きが期待できる。センターバックでは、昨季J2へ復帰した愛媛FCよりDF小川大空とDF森下怜哉を獲得。ほぼ全試合に出場していた両センターバックの同時獲得に成功し、連携面や意思疎通といった問題が少ないだろうことは新しく守備陣を構築していく上でプラスに働くはずだ。サイドの選手として頼もしいのは、昨季途中に水戸ホーリーホックへと期限付き移籍しJ2を経験したDF長澤シヴァタファリの存在。水戸では17試合に出場して2ゴール1アシストと結果を残しており、若く伸びしろたっぷりな点も含めて大いに期待の選手と言えよう。

新戦力の顔ぶれを見ると、J2を戦い抜くための戦力は整えられたと言える。しかし、現時点において流出した選手の穴を埋めたとは言い難く、守備陣をほぼ1から作り直すという点において昇格を目指す他クラブよりも遅れを取っていることから評価を「D」とした。

西川潤(セレッソ大阪所属時)写真:Getty Images

MF(ミッドフィールダー):評価B