韓国、フランス、ドイツは比較的高い水準ですが、2022年でも20~22%程度です。
日本は相対的に、固定資産の維持費用が嵩んでいると考えられそうですね。
4. 固定資本減耗 対GDP比の国際比較最新の2022年における固定資本減耗 対GDP比の国際比較をしてみましょう。
図5がOECD各国の2022年における固定資本減耗 対GDP比の国際比較です。
日本は26.1%で、OECD34か国中1位です。上位はラトビア、アイルランド、スイス、チェコ、韓国と、メキシコとなります。
ラトビア、チェコ、韓国、メキシコは投資が増え、経済が大きく拡大している国ですね。アイルランドは特に近年海外からの投資が増え、大きく経済水準が上昇している国です。
スイスは工業も盛んな国という特徴が出ているのかもしれませんね。
フランス、ドイツとアメリカ、カナダ、イギリスの立ち位置が対照的なのも印象的ですね。
欧米ではこの2つのグループで傾向が異なる事が多いです。
5. 固定資本減耗の特徴今回は減価償却費に相当する固定資本減耗について、国際比較をご紹介しました。
日本は金額で見ると相対的にかなり高い水準が継続してきましたが、近年では他国にキャッチアップされている状況のようです。
現在のところ、まだ高めの水準ではありますが、増加傾向が緩やかですので、今後は更に国際的な立ち位置が低下する可能性も高そうです。
一方で、固定資本減耗の対GDP比を見ると、日本は先進国で断トツの水準となっています。
金額面では平均より少し上ですが、GDPに対する割合では極めて高い水準になっているのは一見矛盾しているようにも思いますが、名目GDPが停滞してきた事からすると当然かもしれません。
投資が多い割には、それが付加価値の向上に寄与せず、むしろ固定資産の維持費が嵩んできた事が窺えます。