図2が人口1人あたり固定資本減耗の推移です。名目の為替レート換算値となります。
日本の数値は1993年までは国民経済計算の1993SNAの数値を用いています。
日本(青)はバブル期に急激に上昇し、他国と比べて相対的にかなり高い水準が継続してきました。
ただし、バブル崩壊後は増加傾向も緩やかで、他国に追いつかれているような推移となっています。
2022年は円安の影響もあり大きく落ち込んだことで、アメリカ、ドイツに続きカナダの水準も下回ります。
一時期の圧倒的な水準ではありませんが、OECDの平均値を上回り、フランスや韓国、イギリス、イタリアを上回っていて、相対的に高い水準と言えそうです。
3. 1人あたり固定資本減耗の国際比較続いて1人あたり固定資本減耗の国際比較をしてみましょう。
図3は1人あたり固定資本減耗(為替レート換算値)の2022年における国際比較です。
日本は8,877ドルで、OECD34か国中15位、G7中4位で先進国の中ではやや高い水準となっています。
他国に対して相対的に高い水準が続いてきましたが、金額的にはキャッチアップされつつある状況と言えそうです。
3. 固定資本減耗対GDP比の推移続いて、固定資本減耗の対GDP比についても見てみましょう。
この割合が高いと、合計の稼ぎ(付加価値)に対して、固定資産の維持費用の割合が大きいという事になります。
その分、家計や企業、政府への分配が圧迫されるとも解釈できそうです。
図4が固定資本減耗の対GDP比の推移です。
他の主要先進国が概ね12~20%の範囲なのに対して、日本だけ突出して高い水準が継続しているようです。