ホーバス氏についても「僕らは日本のトッププレーヤー。代表にふさわしい、プロとしてもコーチをやっていたことがある人がコーチになってほしかった」と苦言を呈した。要するに「ホーバス氏は我々のレベルにない」と断じたようなものだ。
この八村の発言を批判した川淵氏は、日本バスケットボール界の“救世主”でもある。会見では「僕の個人の意見」と前置きしてはいるが、口出しする資格はあるだろう。
2014年当時、企業チームとプロチームが混在するJBL(日本バスケットボールリーグ)と、完全にプロ化されたbjリーグ(日本プロバスケットボールリーグ)の2つのリーグに分裂しており、それが原因でFIBA(国際バスケット連盟)から、五輪を含む国際試合から追放されるなどの制裁を受けていた。その状況を打破すべく、三顧の礼をもってJBAのエグゼクティブアドバイザーに就任。持ち前の豪腕ぶりで2015年、Bリーグ(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)創設にこぎつけたのが川淵氏である。
しかし、川淵氏の苦言はバスケファンからバッシングを浴びる。ネット上には「老害」という言葉まで飛び交う始末だ。目上の批判などもってのほかの“ゴリゴリの昭和の体育会系”の中で生きてきた川淵氏にとっては、八村とその発言を支持する若いファンの思考回路など、何度説明されても理解できないのではないだろうか。
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サッカー界における代表監督批判
ここで少し想像力を働かせてみる。これがサッカー界で起きていたらどうなるだろうかと。
現在のサッカー日本代表の森保一監督は、2022年のFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会までの第1次政権時は、何かと批判の的にされた。常に解任論も飛び交っていたが、本戦で結果を出したことで契約延長を勝ち取り、メディアからの批判も封じ込めた。