さらに、ルール徹底には必須の条件が2点あります。

1.そのルールを誰が見ても解釈がズレないこと

2.そのルールは本人がやると決めたらやれる内容となっていること

この2点です。

1.は、「机をきちんと整理整頓しましょう」といった類いのルールがありますが、「整理整頓」の定義が人それぞれになるため、結果的に主観に委ねることとなり形骸化していってしまいます。

2.は、「予算目標の100%達成」といったルールとした場合に「守れていない」理由として外部要因やその人の能力不足が絡んできてしまうので、「徹底する」という趣旨との矛盾が生じてしまいます。

②管理職の再現性のある育て方

中間管理職のポジションにつく人は、経営者に比べて様々な経験や知識が劣っています。また、与えられている責任範囲も経営者に比べれば狭い状態です。

このような中間管理職の方々に「コミュニケーション能力の高さ」「リーダーシップと決断力」「育成力」などの全てを求めることは現実的ではありません。

つまり、そのタイミングでこれら全てを兼ね備えたリーダーを育成しようにも再現性のあるノウハウは存在しておりません。そうなると、どんな人が中間管理職になっても必ず実施できる再現性の高いマネジメントスタイルの必要性がご理解いただけると思います。

端的に表現すると「部下と距離感を保ち、事実で管理をするマネジメント」となります。

ルールを淡々と守らせ、部下との馴れ合いの飲み会には参加せずに部下との距離感を保ち、アドバイスや同行営業ではなく、部下の責任範囲の領域は部下に任せ、不足が出たときにその不足を埋めるために考えさせる環境を作ることこそが再現性の高い正しいマネジメントスタイルとなります。

最後に

上記の①②を実現させるうえでの最大のボトルネックが経営者自身であるケースが多く見受けられます。

経営者は、先見の明や徹底力、人望、人を見る目もありと色々と兼ね備えた人物です。それ故、今までのマネジメントにおいても深く悩まされずに部下を成長させているケースがあります。