考古学界からの反論
しかし、モアイ研究の専門家であるデール・F・シンプソンJr博士は、ハンコックの主張に異議を唱えている。シンプソン博士によれば、マルケサス諸島のヒバ・オアやライババエ諸島など、他の島々にも類似の石像が存在し、その姿勢や特徴がイースター島のモアイと共通していることから、これらの像の建造者たちには何らかの関連性があった可能性を指摘している。
また、1970年代から1980年代にかけて行われた潜水調査や、チリ海軍による海底探査など、イースター島周辺の海域では広範な調査が実施されてきた。これらの調査で発見された人類活動の痕跡は、水没後に黒曜石を採取するために使用されたと思われる一箇所のみであった。もし海面上昇以前から島に人が住んでいたとすれば存在するはずの追加の石像や台座などの痕跡は、一切発見されていない。
さらに考古学者たちは2013年のバナナの痕跡に関する研究についても、クレーターのような水分を含んだ地域では堆積物が時間とともに移動する可能性があり、これが年代測定に影響を与える可能性を指摘している。また、1000年以上前には6種の大型の飛べない鳥が島に生息していた証拠があり、これは人類の居住と矛盾する可能性がある。例えば、モーリシャス島のドードーは、オランダ人の到着からわずか80年で絶滅している。
ハンコックの反論と今後の展望 これらの考古学的な反証に対し、ハンコックは「島の生態系において、そこまで遡る人類の存在を否定する要素は何もない。ただし、そのような早期の入植の証拠を具体的に探す調査は行われていないのではないか」と指摘している。
イースター島は地球上で最も孤立した島の一つである。最も近いピトケアン諸島まで約2000km、チリの海岸まで3500km以上も離れている。この極めて遠隔な場所に、どのようにして人々が到達したのかという点については、ハンコックも考古学者も「奇跡的」という点で意見が一致している。
現在、ハンコックは「太古からの啓示(Ancient Apocalypse)」の第3シーズンの準備を進めており、古代エジプトにフォーカスを当てる予定だという。今後の研究によって、この遠く離れた島の真実がさらに明らかになることが期待される。
文=青山蒼
提供元・TOCANA
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?