伝説が語る水没した故郷

　Netflixのシリーズ「太古からの啓示（Ancient Apocalypse）」でハンコックが注目したのは、イースター島に伝わる興味深い口頭伝承である。その伝承によると、人々は「ヒバ」と呼ばれる島からやって来たという。このヒバという島は洪水によって水没し、その住民たちは移住を余儀なくされたと伝えられている。

　ハンコックは、この伝承を最終氷期末期の大規模な洪水と結びつけて解釈している。この時期、地球の海面は約120メートルも上昇し、人類が居住していたと思われる低地の肥沃な土地の多くが水没したとされている。彼の仮説によれば、最初の入植者たちが到達した当時のイースター島は、海面が低く、プレートテクトニクスの影響もあり、現在よりもかなり広大だったと考えられる。