世界の終末が垣間見えました。
米国のニューヨーク州立大学バッファロー校(University at Buffalo)で行われた研究により、世界が終わる前に人々がどんな行動をとるかを、オンラインゲームのサービス終了(ベータテスト終了)をもとに分析されました。
対称となったのは大規模多人数同時参加型オンラインRPG(MMORPG)の試験運用終了時の状態であり、サービス終了によってプレーヤーたちは自分のキャラクターや資産を全て失い、同じゲーム世界には二度とアクセスできなくなります。
研究者たちはこの「小さな」世界終焉時に何が起こるかを観察することで、本当の世界終末時に何が起こるかという問題を調べることができると述べています。
研究内容の詳細は『Proceedings of the 26th International Conference on World Wide Web Companion』にて掲載されました。
目次
- 世界終末が迫っても多くの人類は道徳を放棄しない
世界終末が迫っても多くの人類は道徳を放棄しない
もし明日世界が終わるとしたら、貴方はどのように過ごすでしょうか?
野蛮な殺し合いや略奪に興じるでしょうか? 溜め込んだ財産をすべて使い切って豪遊するでしょうか? 大切な誰かと静かに最期のときを過ごすのでしょうか?
「世界が終わる時、人間はどのように振る舞うのか?」この問題は、何世紀にもわたって哲学の重要な話題になってきました。
行動に対する罰もなく、未来もない状況でも人々は最後まで道徳を維持するのか、これは幾度となく議論が交わされてきた問題です。
しかし残念なことに、実際に何が起こるかは世界終末が訪れないとわかりません。
そこで今回、ニューヨーク州立大学の研究者たちは、MMORPGという小さなゲーム世界の終焉を分析し、参考とすることを思いつきました。