とはいえ、この法則にはリスクもあります。
例えば、社会の3分の1が特定の人物や行動を否定すると、その批判は瞬く間に広がり、社会全体が同調する事態が生じえます。
また政治的なキャンペーンでは、少数派があえて誤情報を広めて議論を意図的に誤った方向へ誘導することも可能かもしれません。
いずれにせよ、社会や組織全体が変化する「臨界点」があることを知っておくことは、状況の急激な変化を理解するのに役立ちます。
もし私たちがポジティブな変革を起こしたい場合、まずは自分の周りの小さなグループにおいて、自分の行動を見直してみると良いでしょう。
職場で新しいアイデアを提案したり、家庭で新しいルールを試してみたりすることがその一歩に繋がります。
私たちの一歩は、身近な人に影響を与えるはずです。
そしてその影響力がグループ内の3分の1を超えた時、組織全体や社会に変革が生じるのです。
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参考文献
The “magic third” rule: How just one voice can transform a group
https://bigthink.com/neuropsych/the-magic-third-rule-how-just-one-voice-can-transform-a-group/
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
ナゾロジー 編集部