そしてこのMCO2は昆虫が独自に進化させた酵素であって、甲殻類には存在しないことがわかったのです。
ただ酸素を主原料としたことで、カルシウムを使ったときのような頑丈さは再現できませんでした。
しかし失うものあれば得るものありで、酸素を使うことで殻の大幅な軽量化につながり、そのおかげで昆虫は飛翔能力を獲得できたと考えられています。
このように、酸素は豊富だがカルシウムが欠乏している「陸上」と、酸素は少ないがカルシウムが豊富な「海中」とでは、外骨格の作り方が大きく異なるのです。
こうした違いが昆虫をして、海に戻ることを妨げている大きな原因だと言えるでしょう。
この障壁を無視して海に適応しおうものなら、軽すぎて海面にぷかぷか浮いてしまい、簡単に魚や海鳥の餌食となってしまうはずです。
またそもそもの話ですが、現時点では昆虫が海に戻るメリットは何もありません。
飛行能力を得て空中に進出できた生物はなかなかおらず、地上を闊歩する多くの凶暴な生き物から身を守ることに成功しています。
なので昆虫たちは「フッ、俺たちにレベルになれば海に戻る必要なんてないのさ」と高みの見物をしているのかもしれませんね。
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参考文献
昆虫学の大問題=「昆虫はなぜ海にいないのか」に関する新仮説
https://www.tmu.ac.jp/news/topics/35603.html
Why are there no insects in the sea?
https://whyevolutionistrue.com/2011/06/19/why-are-there-no-insects-in-the-sea/
Why insects aren’t successful at sea
https://www.odt.co.nz/lifestyle/magazine/why-insects-arent-successful-sea