低リスクで「始めてみる」環境が整っている
辰野町は、シャッター商店街の再生を行っているんです。空き店舗を改装してシェアキッチンや小規模なモールを作っています。つまり、一つの店舗を丸ごと借りなくても区画単位の賃料でお店を出せる仕組みです。
これって、すごいことだと思うんですよね。起業初期の課題はなんといってもコストの最小化です。例えば、小規模な飲食店やハンドクラフト店を営もうとしても店舗家賃を考えると毎月20万~30万円の売り上げが必要です。
一方で、シェアキッチンや小規模モールなら店舗を区画単位で借りることができます。毎月数万円の売り上げでも小さな利益が残ります。また、短期出店ができるのも魅力です。例えば、1人でハンドクラフト販売をする場合、制作期間と販売期間を分けて運営することもできるのです(今月は制作に集中して、来月はそれを販売する、というスタイル)。
これなら勢いで起業して、儲からない場合も撤退リスクも小さくなります。起業は始めるのも撤退するのもリスクがつきものですが、辰野町では最小のリスクで始められる環境が整っているんです。
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(画像=『BCN+R』より 引用)
商店街の空き店舗がシェアキッチンとして
小商い起業に使われている
空き店舗とアート系起業は相性がいい?
また、辰野町ではアート系の駆け出し起業家も多いのだそうです。アート系の場合、展示スペースや作品作りのための工房など、どうしても広い空間が必要です。
大きなアトリエは、どうしても賃貸料も高くなりがちなもの。駆け出しアーティストにはハードルが高いものです。
でも空き店舗なら比較的賃料もやすくなりますし、商店街のお店ならそれなりに広い空間もあります。古い(ボロい?)お店もアート作品があると不思議とレトロでオシャレな空間に見えてくるものです。