クランスとアイムス以降、インポスター症候群に関する数多くの研究がなされ、具体的な症状については次のような共通点でまとめられています。
・自分に自信が持てず、過小評価してしまう
・自分の成功や実績は「運や周囲の人のおかげである」と必要以上に謙遜してしまう
・他人から評価されたり褒められると「自分より優れた人はたくさんいるのに」とか「偽物の実力で相手を騙しているみたいだ」と罪悪感を抱いてしまう
・失敗や批判を恐れて、新しいことに挑戦しなくなる(「自分の実力からすると、いつかは失敗してしまう」と思い込んでしまうため)
・挑戦して失敗すると「ほら、やっぱり」と落ち込み、成功しても「運が良かっただけ」と思ってしまう
またインポスター症候群を示す人は、自分の能力や知性を示したら人から嫌われたり、妬まれるのではないかと考え、自分の能力を隠そうとする傾向も見られるといいます。
では、インポスター症候群にはどのような人がなりやすいのでしょうか?
インポスター症候群になりやすい性格特性とは?
これまでの研究で、インポスター症候群になりやすい人にも、いくつかの共通する点が見られています。
特によく見られるのは「完璧主義」です。
完璧主義の人は、何事も自分の100%納得するものでなければ満足できず、少しのミスや不完全な部分があると、過度に自分が能力不足だと感じてしまいます。
100%納得できることはほとんどないため、自分に自信がなくなったり、不当に自己評価が低くなりやすいのです。
また「他人の評価を気にする傾向」も大きく関わっていました。
こうした人は周囲の声や評価に敏感であり、他人に失望されたり嫉妬を買うことを恐れる傾向があります。
そして他人の評価を気にするあまり、自分の成功に対して「運がよかっただけです」と過剰に謙遜したり、「自分は凄くないんだ」と自己を過小評価することにつながるのです。
それからインポスター症候群が強い人には「自分は目立ってはいけない」とか「成長してはいけない」という心理が無意識的に働いていることも示されました。