なぜなら、そのような貨幣創造は、個人にも社会全体にも極めて重大な被害を及ぼすからである。
ハビエル・ミレイ大統領には、この法改正を可能な限り早く実行に移してもらいたい。特に、このアルゼンチンにおける取り組みが世界中に広まり、公的赤字のマネタイゼーションによる逆効果と深刻な損害について多くの国民が認識を深めることが望まれる。
北米やユーロ圏など、アルゼンチンのハイパーインフレほどではないにせよ、通貨単位の購買力下落というかたちで国民から収奪を行っている経済圏は少なくない。実際、わずか数年の間に、すべての通貨の購買力がおよそ20%も奪われた。
今後、中央銀行(ECBやFRBなど)の総裁や理事会メンバーが、その政策目的を達成できず、市民に深刻な社会的・経済的損害を与えたとして、刑事訴追され、個人として責任を追及される時代が来るかもしれない。その可能性がいま、現実味を帯びてきている。
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デ・ソト教授の本は、自由主義研究所の主任研究員の蔵研也(自由主義経済学者)が翻訳した本が3冊出版されています。こちらもぜひお読みください。
編集部より:この記事は自由主義研究所のnote 2025年1月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は自由主義研究所のnoteをご覧ください。