金利のこのような大幅で粗雑な操作が、実質的な「生産構造」に及ぼす多大で悪影響は言うまでもない。
金利はあらゆる自由市場において「最も重要な価格」である。
金利を人為的に低水準に操作することで、金利は「消費財と資本財の生産をどう配分するか、という企業家の意思決定に不可欠な指針」として機能しなくなり、市場メカニズムが歪められる。
中央銀行は通常、お金を創造し経済に注入するために 以下の2つのプロセスを使用する。
(1) 中央銀行の指示の下、部分準備銀行システムによって生成される「信用拡大」 (2)「公開市場操作」または公的赤字のマネタイゼーション
どちらの場合も「操作された人為的な低金利」が、誤った持続不可能な投資を引き起こし、最終的には金融危機を引き起こす。
なぜなら金利操作による人為的な低金利は、「消費者や貯蓄者である市民の真の欲求」に対応していないため、実際には持続不可能な投資プロセスなのに、それに収益性があるかのように勘違いさせてしまうからだ。
4. 購買力の低下という悪質な税負担(インフレ税)インフレによって通貨単位の購買力は、最終的かつ必然的に大きく下落する。これは、社会のあらゆる層、とりわけ最も弱い立場の人々に重くのしかかる悪質な税、いわゆる「インフレ税」を意味する。 したがって、どのようなインフレ政策も必ず、逆進的で非常に有害な税を国民に強いることになる。
結論
財政赤字のマネタイゼーションは、あらゆる刑法で犯罪とみなされ禁じられている通貨偽造を、量・質的ともに上回る重大な害悪をもたらす行為といえる。
(例えばスペインでは、通貨偽造は刑法386〜389条により8〜12年の禁固刑 が科される。)
したがって、ハビエル・ミレイ大統領の歴史的な提案、つまり「財政赤字のマネタイゼーションを犯罪化し、時効を設けず、それに責任を負う国家元首・政府高官・財務大臣・国会議員・中央銀行総裁・理事会メンバーを禁固刑と高額の罰金で罰すること」には十分な正当性がある。