リーマンショックで大きく落ち込んだ後は、増加傾向が続き2016年にピーク値を超えて推移しています。
国内純生産を見ると、1997年は422兆円でしたが、その後は減少傾向となり、2017~2019年以外では1997年の水準を超えていません。
当時の固定資本減耗は122兆円ですが、基本的に増加傾向が続いていて、国内純生産を押し下げている状況になっているようです。
固定資本減耗は時価評価されることから、近年の物価高も影響しているかもしれませんね。
国内総生産に対する固定資本減耗の割合(緑折れ線)を見ると、1997年は22%程度でしたが、2022年には26%と拡大している事になります。
いずれにしろ、国内純生産は国内総生産以上に停滞傾向が続いてきたことになりそうです。
3. 日本の1人あたり国内純生産国内純生産の水準を見るのに、人口1人あたりの推移を確認してみましょう。
図2は人口1人あたりのGDP、NDP、固定資本減耗の推移をグラフ化したものです。
1人あたりGDPも長期間停滞が続いてきましたが、リーマンショック後は上昇傾向となり、2017年には1997年の水準を超えています。
2022年には1人あたり448万円となっています。
1人あたりNDPも1人あたりGDPと同期して推移していて、2022年には331万円ですが、1997年の水準を超えていません。
1人あたり固定資本減耗は緩やかな増加傾向が続いていて、1997年の97万円から117万円と2割ほど増加しています。
4. 日本の投資最後に、日本の投資となる総固定本形成と、その蓄積=ストックの固定資産残高について確認してみましょう。
図3は日本全体の投資=総固定資本形成です。
1985年~1991年のバブル期に急激に増加し、その後アップダウンを繰り返しながら目減りしていって、リーマンショックを機に増加傾向に転じます。