ドル円は力強い結果を受け、一時158.88円まで7月半ば以来の高値を更新。米10年債利回りも一時4.797%と2024年4月以来の水準へ上昇した動きにつれた格好です。しかし、米株は利下げ期待の後退を大幅安となった影響もあり、上げ幅を相殺しました。

5分足チャート:ドル円は米12月雇用統計後、米10年債利回り(緑線、左軸)につれ上昇も上げ幅を打ち消す

USDJPY_2025-01-11_03-42-48 (出所:TradingView)

今回の雇用統計のポイントは以下の通りで、弱い材料が増えました。

(労働市場にポジティブ)

・NFPが市場予想や前月を上回る ・失業率は低下 ・失業者のうち失職者は減少 ・完全解雇者の労働力人口の割合が低下 ・就業率、2022年2月以来の低水準から改善 ・不完全雇用率が低下 ・長期失業者の割合が低下 ・サーム・ルールで景気後退のサインとなる0.5ポイント割れを維持

(労働市場にネガティブ/ニュートラル)

・NFP、過去2カ月分は下方修正 ・平均時給の伸び、前年比で生産労働者・非管理部門含め伸び鈍化(インフレ抑制の観点ではポジティブ、購買力の観点でネガティブ) ・民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)、前年比の伸び鈍化 ・労働参加率は3カ月連続で横ばい ・週当たり労働時間は横ばい

以下は、今回の雇用統計の詳細。

〇非農業部門就労者数

米12月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は前月比25.6万人増となり、市場予想の16万人増を上回った。前月の21.2万人増(22.7万人増から下方修正)を上回り、カ月ぶりの強い伸びとなった。

NFPの内訳をみると、民間就労者数は前月比22.3万人増と市場予想の13.5万人増を上回った。前月の18.2万人増(19.6万人減から下方修正)を超えた。民間サービス業は23.1万人増と、前月の14.8万人増(16万人増から下方修正)を上回った。

チャート:NFPは大幅改善、失業率は低下