梶野智統括部長が「9番と11番のポジションにも新外国人選手を獲得する」と語り、さらなる補強を明言しているC大阪。歯車が嚙み合えば“大化け”の可能性を秘めている。


金明輝監督 写真:Getty Images

アビスパ福岡:金明輝監督

期待度:★☆☆☆☆

まだ1試合もしていないにも関わらず、就任の噂の段階でこれほどまでに叩かれるケースは前代未聞だろう。それほどまでに、アビスパ福岡の金明輝新監督就任は論争を引き起こした。

最大のサポーターズグループ「ウルトラオブリ」の反対声明に始まり、大手スポンサーの明太子メーカー「ふくや」の契約満了、果ては運営資金面でサポートしている福岡市にまで抗議の声が届くなど、J史上、前例がないほどの嫌われっぷりだ。

その原因は、金監督が昨季“ヒール”としてJの話題を独占した町田ゼルビアのヘッドコーチだったことに加え、隣県のライバルのサガン鳥栖監督時代(2018-2021)、トップチームのみならずユース選手にまで暴力を振るっていたことが明るみになり、日本サッカー協会(JFA)初となるS級コーチライセンス剝奪(A級への降格)と1年間の研修、社会奉仕活動の処分が下されたことにある。

フロントはこうした声を跳ね除け、金監督就任を正式決定。さらに強化部門は、鹿島アントラーズからMF名古新太郎、東京ヴェルディからMF見木友哉を獲得。加えてU-18チームから、陸上100メートルと200メートルで日本歴代2位の記録を持つサニブラウン・アブデル・ハキームの弟であるFWサニブラウン・アブデルハナンを昇格させ話題を呼んだ。

クラブからこれほどまでのバックアップを受けた以上、言い訳は通用しない。「6位以上を目指す」と宣言したことで、金監督は結果で見返すしかないだろう。

しかし、チームの始動早々報道陣の目は、選手ではなく金監督の一挙手一投足に注がれ、新加入選手への取材でも監督の印象についての質問が集中した。金監督はこうした取材に対しても殊勝に対応したが、内心穏やかではなかったはず。因果応報とはいえ、サッカーに集中できない環境に置かれたことで、チーム作りへの悪影響も心配される。