鬼木監督自身は、自ら何から何まで決めるタイプの指揮官ではなく、コーチに意見を仰ぎながら采配を振るうタイプ。昨季8位に終わった川崎の低迷は、物申せるコーチが不在だったことが要因の1つだった。鬼木監督の能力は疑うべくもないが、脇を固めるコーチ陣の経験不足が今季の鹿島の不安要素だ。


リカルド・ロドリゲス監督 写真:Getty Images

柏レイソル:リカルド・ロドリゲス監督(←井原正巳)

期待度:★★★☆☆

リカルド・ロドリゲス監督は、2017年当時J2の徳島ヴォルティスに「スペイン人指揮官路線」の第1弾として招聘された。2020シーズンJ2優勝とJ1昇格を置き土産に浦和レッズに引き抜かれ、2021シーズンの天皇杯優勝をもたらした。しかし、リーグ戦では優勝に届かず、2シーズンで退任している。

1年間のブランクを経て、2024シーズンに中国スーパーリーグの武漢三鎮の監督に就任。しかし、オーナー企業の武漢尚文グループが、資金難からクラブ経営から撤退し、弱体化していたチームは残留争いを強いられる。ロドリゲス監督の手腕で残留に成功するも、武漢に同監督を引き留める財力はなく、フリーとなったところに柏レイソルがオファーした形だ。

柏はJFL時代からブラジル人監督路線を敷き、ゼ・セルジオ監督(1994)、アントニーニョ監督(1995)、ニカノール監督(1996-1997)、マルコ・アウレリオ監督(2002-2003)、ミルトン・メンデス監督(2016)らが指揮をとってきた。

最も成功したのは、2009年に就任し、降格した2010シーズンにJ2優勝、翌2011シーズンにはJ1昇格即優勝という偉業を成し遂げたネルシーニョ監督(2009-2014、2019-2023)だろう。74歳という高齢とあって、本人もリタイアしていることから3度目の就任はならなかったが、間違いなく柏の歴史の中で最高の指揮官だ。サポーターも未だ、彼の幻影を追い求めている節がある。