大山寺は山門から急な石段を登る途中で懸造の柱を比較的近くに見ることができます。
山の斜面に沿って垂直で長さの違う柱を横木が支えていることがよくわかります。この懸造は本堂前の舞台を支えており、遠く弓ヶ浜半島を望めます。
この大山寺や投入堂のある三佛仏寺など、山岳信仰のあった地域は、戦国時代には3000人を数える僧兵がいたと伝わります。
投入堂はなぜ激レア建築なのか
鳥取県三朝町の投入堂がなぜ激レア建築なのか。その理由は、建てられている場所に秘密があります。
山岳信仰が元なだけあり、そこは険しい山の中。
そして修験道の聖地だけあって危険な道なき道を登らなくてはいけません。参道がまずレアなのです。
まず、独りでは見に行くことが許可されません。
思い立ったからといって、同行者がいなければ見に行くことはかないません。万が一遭難したら、ひとりでは救助を呼べないかもしれません。登山での遭難は意外なことに低山での方が多いのです。
そして、投入堂を見に行くためには入山届を出し、投入堂参拝登山料と山志納金を払う必要があります。そして輪袈裟を受け取って身に着けます。ここが第一の関所。
次の関所。そこでは履いている靴のチェックを受けます。山歩きに適した靴を履いていなかった場合、スニーカーであっても靴底がすり減っていればその場で脱ぎ、そういう参拝者のために準備されている「わらじ」に履き替えなければなりません。
わらじで登るのも修験者の気分が味わえそうではあります。
面倒な人は最初から山歩き用の靴を履いていきましょう。ちなみに30年前はこの履物チェックはありませんでした。ミニスカートにハイヒールで降りてきた女性を見たこともあります。