少なくとも、全国知事会や定例記者会見などの場を利用して、「文献調査」受け入れに対してだけでも感謝の気持ちを公式に表明することが大切なのではないだろうか。

5. まとめ

以上に記したように、東京都民はこれまでに約9000億kWhの電力を原子力の恩恵として受け取り、約3000トンの原子燃料を消費してきた。現在、その使用済み燃料から分離される高レベル廃棄物を埋設処分する課題に立ち向かう時期となっており、処分地候補の可能性を調べる「文献調査」を受け入れてくれている自治体がある。

東京都民は、それらの自治体に敬意と感謝の気持ちを込めて、お礼に行きましょう。

【参考資料】

※1)「年次ごとの東電販売電力量」 (「数表でみる東京電力」より)

※2)「都内における再生可能エネルギーの利用状況調査」(2015~2022)東京都環境局

年次ごとの報告書に東京都内の電力消費量の数字が掲載されている。2015年、2022年資料の表の部分を抜粋(2016~2021年分は省略)

【2015年】

都内の電力消費量775億kWh/東電全体の販売電力量※1)2471億kWh = 0.31

【2022年】

都内の電力消費量758億kWh/東電全体の販売電力量※1)1731億kWh = 0.41