これを(A)の38年分の合計8兆3000億kWhで割ると、原子力発電の平均構成割合が求められる。結果は30.7%なので、これを丸めて原子力発電の割合平均値=約30%とする。
各年次の東京都内電力消費量が東電全体に占める割合(C)については、※2)をベースに算出する。
※2)に例示した2015年と2022年の東京都の電力消費量は775億、758億kWhなので、それぞれの年次の東電販売電力量2471億、1731億kWhで割り算すると、0.31、0.44となる。2016~2021年の計算は省略するが、値は0.31と0.44の間にある。
原子力を使っていた1973~2011年の東京都の統計数値が見当たらないので、2015~2022年の数値を流用することとし、平均的に0.35とした。
以上より、東京都民がこれまでに使用した原子力発電電力量は、
1973~2011年の東電販売電力量合計値(8兆3000億kWh) × 原子力発電割合の平均値(約30%) × 東京都内の電力消費量割合の平均値(35%) = 8700億kWh
すなわち、東京都民が原子力発電の恩恵を受けた電力量は、約9000億kWhである。
3. 東京都民の原子燃料使用量100万kWの原子力発電所を1年間運転すると、約60億kWhとなる(下記参照、設備利用率を70%とした)が、これを発電するために必要な原子燃料は21トン(図2参照)なので、東電がこれまでに使用した原子燃料の総量は、約8700トンとなる。
100万kW × 365日 × 24h/日 × 0.7 = 61億3200万kWh ⇒ 約60億kWh
1973~2011年東電販売電力量8兆3000億kWh × 0.30 × (21トン/60億kWh)= 8715トン ⇒ 約8700トン