で、その「有力者の庇護を受けている立場である」という威光を利用して、色々な投資案件に噛ませてもらったり、北京空港の物流センターのプロジェクトを担当させてもらったりする事で財をなしていくことになる。

でもこれ、例えばジョイントベンチャー会社を設立したり、独占分野を持つ未公開巨大国有企業の株式に投資するにあたっても、張おばさんは「協力する」というだけで、実際に「出資金」を入金してきたりは一切しないんですね(笑)自分たちでリスクは一切取らない。

「顔を貸してやる」「温家宝首相の奥さんの庇護下にある存在だと示してやる」だけで、なんと最終利益額の3割を貰っていく・・・というのが「中国共産党の有力者」と関係を利用する時の「相場感」らしいです。

もちろん契約書とかはない「信用」だけの世界だけど、そのあたりの「相場感」から外れたような事をして「有力者」を失望させると一気にビジネスどころか「命の危険」もありえるので、当然それは支払うしかないという感じ。

とはいえ、十数億人の巨大国家が急激に資本主義の狂乱に巻き込まれていく中で、その中である種の独占的立場を得られた存在は、巨額の利益を得られる事が珍しくない。筆者夫妻もだいたい四桁億円ぐらいの資産を築いたようです。

その後の「金遣いの荒さ」もめっちゃすごくて、筆者も奥さんも余り裕福でないどころか「極貧」と言っても嘘ではない育ちから大富豪になったので、

・「奥さんは狂ったように世界中をプライベートジェットで飛び回り二桁億円のダイヤや美術品を買いまくる」 ・「数百万円の時計とかは官僚に賄賂で送るために一気に何本も買っておく ・「有力者を巻き込んだ新ビジネスをやるにあたって関係者を集めて行った接待欧州ツアーはワイン代だけで1500万円」

みたいな感じで・・・

なんというのか、特に奥さんの方は、「高官の機嫌を取ることに全振りして生きてきた」みたいな感じだからか、いわゆる本当に「他人が欲しがるものを欲しい」的な方向で「とにかく一番高いものを買いたい」みたいなお金の使い方が印象的でした。