お世辞にも表情豊かとは言えず、試合後も笑顔を見せることもないため、相手にとっては不気味な印象すら与えるスコルジャ監督。“策士”らしさを身に纏い、能面のような表情で佇むその姿に、相手ベンチは「一体、何を考えているのか…」と警戒してくるだろう。本人も52歳という、監督として脂の乗り切った年齢に差し掛かり、同大会を機に欧州へのステップアップを狙う野心を抱いていても不思議ではない。これは浦和イレブンにとっても同じだろう。
浦和はこのクラブW杯に出場するだけで、20億ユーロ(約32億円)を手にする予定だという。決勝トーナメント進出を決めれば、そこになんと5,000万ユーロ(約81億円)ものボーナスが加わるとされている。これは浦和の営業収入1年分に匹敵する金額だ。
この大会のために国内のJ1リーグ、ルヴァン杯、天皇杯を「捨てろ」などと無責任なことは言えないが、6月中旬をコンディションのピークに持ってくる必要はあるだろう。スコルジャ監督の下、世界的に有名なクラブをバッタバッタと倒していく姿を想像するだけでも、夢があるとは言えないだろうか。