このモンテレイ戦の浦和のキーマンには、欧州再移籍の噂もあるが、ワールドクラスのフィジカルと決定力を持つFWチアゴ・サンタナを挙げておきたい。


マチェイ・スコルジャ監督 写真:Getty Images

浦和の「愛と意志と運」に期待

もちろんこれらは“机上の空論”でしかない。しかし何が起こるか分からないのがサッカーの面白さでもある。

2010年の南アフリカW杯での日本代表は、決勝トーナメント進出はおろか、3連敗するという大方の予想だった。しかし岡田武史監督の下、本職はMFである本田圭佑の1トップという大胆な選手起用が奏功し、初戦のカメルーン戦を1-0で勝利すると、決勝に進むことになるオランダには0-1で敗れたものの、3戦目のデンマーク戦で本田と遠藤保仁のFKなどで3-1と快勝し16強入り、下馬評を覆してみせた。

2014年のロシア大会W杯では、本戦直前にヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任され、技術委員長だった西野朗氏が新監督に就任するというドタバタ劇があった。にも関わらず、初戦のコロンビア戦の前半3分、相手DFカルロス・サンチェス・モレノがMF香川真司のシュートを手で止めてしまい一発退場。このPKを香川自身が決め、その後同点に追いつかれたもののFW大迫勇也の勝ち越しゴールで勝利を収め波に乗り、結果、W杯史上初となる「フェアプレーポイント」によって2位突破を果たした。

こうしたアクシデントが浦和に味方しないとは言い切れないはず。浦和のゴール裏の横断幕にあるように「愛と意志と運」が短期決戦には必要なのだ。

浦和のポーランド人指揮官、マチェイ・スコルジャ監督は、2022年に浦和をALC(AFCチャンピオンズリーグ)優勝に導いただけではなく、監督キャリアをスタートさせた母国のアミカ・ロンキでは2004/05シーズン、ポーランドのクラブとして初めてUEFAカップ(現UEFAヨーロッパリーグ)へと導き、その後、指揮したディスコボリア、ヴィスワ・クラクフ、レギア・ワルシャワ、レフ・ポズナンでもクラブにタイトルをもたらしている。中でもカップ戦での強さが目立つ印象だ。