このチームを率いるのは、リーベル・プレートやバイエルン・ミュンヘン、マラガ、マンチェスター・シティで活躍した元アルゼンチン代表DFのマルティン・デミチェリス監督だ。
2017年に現役を退いたマラガで、ミチェル監督のアシスタントコーチとして指導者のキャリアをスタート。バイエルン・ミュンヘンのユースチーム、Bチームの監督を歴任し、2022年にはリーベル・プレートの監督に就任。就任1年目の2023シーズンに38度目のリーグ優勝をもたらし、スーペルコパなど計3つのタイトルを獲得したが、リベルタドーレス杯でベスト16敗退に終わり、さらに翌2024シーズンは国内リーグでも不振に陥ったことで途中解任された。
まだ44歳の青年監督だが、背番号10を背負う元スペイン代表MFセルヒオ・カナレスやアメリカ代表FWブランドン・バスケス、メキシコ代表FWヘルマン・ベルテラメといった好選手が揃い、30歳のMFオリベル・トーレス、同じく30歳のMFルーカス・オカンポス、31歳のFWヘスス・マヌエル・コロナ(登録名は「テカティート」)、36歳のDFエクトル・モレノら百戦錬磨のベテランも控えており、これらのタレントを生かした攻撃サッカーを志向している。
ポゼッションを重視し、中からもサイドからも攻めることが出来るチームだ。同グループで最も“フットボールらしいフットボール”をしてくるチームとも言える。しかも浦和と対戦するのはグループリーグ3戦目とあって、星勘定次第ではキックオフと同時に猛攻を仕掛けてくる可能性もあるだろう。
浦和が勝利を目指すためには、カウンターに徹するしかない。相手はテクニックに優れる選手ばかりだが、30代の選手も多く、大会3戦目であることを考慮すれば“スタミナ切れ”を起こすことも十分に考えられる。付け入る隙があるとすればそこだ。
浦和には幸い、連戦にも耐え得りそうな若い選手が揃っている。MF渡邊凌磨やMF松尾佑介、さらにはコルトレイクから完全移籍で加入したMF金子拓郎の突破力を生かし、仕上げはFWチアゴ・サンタナ、若しくはユース育ちながら関東リーグの東京ユナイテッドから這い上がり、ザスパ群馬、アルビレックス新潟を経て浦和帰還を果たしたFW長倉幹樹のフィジカルを生かし、得点を狙うのだ。