2024/25シーズン、セリエA第18節終了時点で3位ながら、総失点は首位ナポリに次ぐ最小の15。とにもかくにも点を取られないチーム、それがインテルだ。【3-5-2】のフォーメーションを敷き、堅守を誇る守備陣に加え、攻撃陣もリーグ1位の45得点。このスタッツだけを見ると、浦和がインテルに勝つ可能性はほとんどないようにも思える。
しかし、リーグ戦38試合で総失点が22で第35節まで無敗だった昨シーズンに比べると、失点数のペースが増しているインテル。手厳しいイタリアメディアからは、2021シーズンから監督に就任し4季目の指揮を執るシモーネ・インザーギ監督への批判が見られるようになってきた。
サウジアラビアで行われたイタリアスーパーカップでも1月3日の準決勝でアタランタを2-0で下したものの、7日の決勝ではミラン相手に2点差をひっくり返され2-3で敗れ、準優勝に終わった。実に在籍7シーズン目となるディフェンスリーダーでオランダ代表のDFステファン・デフライが32歳を迎え、衰えが指摘されているのに加え、セットプレーからの失点も目立つようになった。
攻撃陣は、トルコ代表MFハカン・チャルハノールを中盤の底に置き、そこからの配球を軸としている。しかし、得点ランキングトップタイの12得点を記録しているフランス代表FWマルクス・テュラムのスピードと、昨シーズンのセリエA得点王のアルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネスのフィジカルとテクニック任せの部分が大きく、強敵相手に大勝したかと思えば、次戦では格下相手にゼロウノ(1-0)の辛勝という、調子の波が大きいことが首位に立てない要因となっている。
また、デフライを中心とした3バックが安定したパフォーマンスを維持できていない点も指摘されている。現在のところ、アレッサンドロ・バストーニとヤン・ビセックが脇を固めているが、この3人の1人でも欠けると、途端に組織的守備に綻びが生じるのだ。ベンジャマン・パバールやフランチェスコ・アチェルビをローテーション起用して凌いでいるものの、特にセットプレー時に弱さが顔を覗かせる。