アルゼンチンのリーベル・プレートは、同クラブのレジェンド、マルセロ・ガジャルド監督が率いる。現役時代には、欧州挑戦(モナコ/1999-2003、パリ・サンジェルマン/2007)や、2度のW杯で活躍できなかったものの、リーベル・プレートでの通算9シーズン(1992-1999、2008-2010)で137試合に出場。1996年には当時のラモン・ディアス監督の下、リベルタドーレス杯優勝にも貢献した。

ガジャルド監督は、アルゼンチン代表時代の恩師であり、「エル・ロコ(変人)」と呼ばれるほどの戦術マニアとして知られるマルセロ・ビエルサ監督(現ウルグアイ代表監督)から多くの影響を受けており、前からのプレッシングという南米的なサッカーの中に、縦への早い展開を基本的な戦術としている。

ビエルサ監督仕込みのシステマティックなプレスの掛け方から、縦に早いダイレクトプレーでゴールを目指す戦い方で、“ファンタジスタ”だった自身の現役時代からは想像もできないような泥臭いプレースタイルのチームだ。

手数を掛けて崩すよりも、DFラインの手前でマークのズレを生じさせ、空いたスペースの裏を取る攻撃スタイル。ポゼッションにこだわりはなく、タイトな守備から攻撃に転じる際にはロングボールも用い、アーリースローインも速攻の一環として多用する。とりあえずロングボールを蹴り、セカンドボールを拾った上で、そこから攻撃が開始されるイメージ。フォーメーションは【4-4-2】と【4-3-1-2】の併用だ。

急所を挙げるとすれば、相手カウンター時、サイドバックが突破を許しポケットに侵入されると、センターバックとボランチが1対1の守備を強いられ、相手の3列目あるいはDFからの飛び出しへの対応が間に合わないことが多い点だ。

浦和がリーベル・プレートに付け入るならばこの弱点だろう。キーマンには、昨2024シーズン途中加入で左サイドバックのレギュラーポジションを奪取し、攻撃面でも持ち味を発揮してJ1リーグで4得点を記録したDF長沼洋一を指名したい。


インテル 写真:Getty Images

インテル

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