<一九〇五年> ・日露講和条約(ポーツマス条約)が結ばれ、前年に開戦した日露戦争に「けり」をつけた。 ・第一次ロシア革命(ロシア帝国ロマノフ朝の打倒を掲げた民衆蜂起による革命)の勃発

<一九六五年> ・いざなぎ景気と呼ばれる11月から57カ月続いた好景気がスタート ・名神高速道路が全線開通 ・日韓基本条約が調印され、国交正常化へ。 ・万博が大阪開催に正式決定。 ・朝永振一郎博士のノーベル物理学賞受賞。 ・東海村の原子力発電所が送電を開始。 ・米軍が北ベトナム本土への直接的空爆「北爆」を開始し、ベトナム戦争が本格化。

こうして、歴史的事実に徴すると乙巳の干支が意味するところが鮮明になりましょう。政変や戦禍の開始・終結など因習化・硬直化した現状に「けり」をつけ、打破していく年回りなのです。まさに、今年は容易ならざる年であることがお解りになられたでしょう。このことは、国ばかりではなく、企業や我々自身にも通ずる話です。

では、どうやってこうした難局を切り抜けて「けり」をつけるかについて考察しましょう。

先ず第一に、劇的な変化の起こる年ですから、国・企業・個人も全て、様々な変化の波に柔軟に対応していくことが必要です。もちろん右顧左眄(うこさべん)することなく迅速に抵抗を押しのけ、新たな道を切り拓き、変化をチャンスにしなければなりません。

第二に、「けり」・「けじめ」をつけることは、極めて難しいことです。一体、何を為せば、時代を動かすような改革・革新の歩を進められるのかを知るには、理想像を描くだけでは駄目です。新しい時代・時流に対する先見性や情熱を伴った時代感覚を養わなければなりません。また、不撓不屈の精神力や胆識が不可欠です。

第三に、蛇は脱皮を繰り返しますがこれは古い角質層を取り除く新陳代謝です。正常な脱皮は健康のバロメーターで、ニーチェが言うように「脱皮が出来ない蛇は滅びる」のです。我々人間にも絶えざる新陳代謝(メタボリズム)が生命維持に不可欠です。我々人間の新陳代謝は、新しい知識を貪欲に吸収したり、時として価値観の転換を進めることです。