SNSで「いいね!」を集めるのは、ただの自己顕示なのか?
それとも「承認欲求が強い」からでしょうか?
現代の私たちは、日常的に「承認欲求」という言葉を耳にします。
SNS上で自分の投稿に反応がほしい、フォロワーを増やしたい、誰かに認められたい――そんな思いは、ごく当たり前の感情に思えます。
ところが、この「承認欲求」という概念が本当に存在するのかと問われると、意外にも答えは複雑です。
実は、承認欲求という言葉が盛んに使われるようになったのはごく最近のことであり、その背後には人類史の闇とも言える「血塗られた歴史」が深く関係しているのです。
今回のコラムは、あえて「承認欲求は存在しない」というタイトルから、人類の狩猟採取時代にまでさかのぼり「仲間殺し」という驚くべき死因がいかに私たちの脳を変えてきたかを探っていきます。
実は、仲間に殺されるリスクを回避するために、私たちの脳は噂話や他者評価に過剰に敏感になり、それが現代のSNS環境と結びついて“承認欲求”や“異常な攻撃性”として表出しているのです。
なぜ人はSNSで自分のしたことを積極的にアピールし、誹謗中傷に熱中してしまうのか。
なぜSNS上での評価をこんなにも求めてしまうのか――その答えを知れば、あなたの「承認欲求」観が大きく変わるかもしれません。
目次
- 承認欲求は存在しない
- 仲間殺しが人類にもたらした進化
- 承認欲求は「脳の誤作動」であり、SNS上の異常な攻撃性も同じく誤作動
- 承認欲求を知らない神様の物語
承認欲求は存在しない
承認欲求はSNS普及後に認知されるようになった
あなたは日常のなかで、「承認欲求」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
「SNSに疲れた」「いいね!が欲しい」「もっと自分をわかってほしい」など、私たちの周りには「承認欲求が強い人」という評価が溢れています。