しかし、そこにあったのは天然ガスが漏れ出す洞窟でした。

一帯は洞窟内へ崩落し、クレーターとなってしまいました。これが「地獄の門」が開いた原因です。

ここで問題だったのは、クレーターから天然ガスが漏れ出てきたことです。天然ガスはメタンでした。

これが漏れ出たまま人が密集する地域へ流れて行っては大変です。そこで、火をつけてガスを燃やすことにしたと言われています。

こうして燃え上がる「地獄の門」が誕生しました。

ここでトルクメニスタンという国について見てみましょう。トルクメニスタンは「世界一凝っている」と評される国旗を持っています。国連総会で永世中立国の地位が認められたため、国連旗と同じ平和の象徴であるオリーブの枝がデザインに追加されました。

世界一複雑で凝ったデザインといわれるトルクメニスタンの国旗
世界一複雑で凝ったデザインといわれるトルクメニスタンの国旗 / credit: Wikimedia Commons

もうひとつ有名なのがアハルテケ馬です。

これはトルクメニスタン原産の馬種で、被毛が金属光沢を放つ「黄金の馬」とも呼ばれています。厳格な血統書を持ち、世界各地に愛好家がいるだけでなく、持久力があり、約4200kmを84日間で走破した記録もあるという馬です。

全身の毛が金色に輝くアハルテケ馬
全身の毛が金色に輝くアハルテケ馬 / credit: Wikimedia Commons

さらに、首都アシハバードには白い大理石の建物が立ち並ぶび「中央アジアのドバイ」とも呼ばれています。

実はトルクメニスタンとは、海外旅行先として魅力の観光地だったのです。そのような国に現れた「地獄の門」。当初「カラクムの輝き」という名称にされた理由もわかりますね。これはあっという間に新しい観光資源となりました。

真っ白な大理石の建物が並ぶトルクメニスタンの首都、アシハバード
真っ白な大理石の建物が並ぶトルクメニスタンの首都、アシハバード / credit: Wikimedia Commons

突如出現したゲートには、勇者ではなく観光客が大勢訪れることとなり、転落防止のための柵も作られました。