「海外ゲームと資金決済法」 日本で課金ゲームを配信する多くの海外ゲーム事業者が、資金決済法に基づく届出・供託の義務を果たしていなかった。そこで利用者保護や国内ゲーム事業者との公平性の実現のため、金融庁に働きかけ、届出・供託の徹底を推進。

「情報流通とプラットフォーム」 名誉毀損・著作権侵害の深刻化や恣意的な自主的削除の増加で、情報流通プラットフォームの規制論が本格化。実効的な対策と表現の自由・通信の秘密の保護の両立を図り、情プラ法の制定を実現。行政に表現内容を判断させず、かつ匿名表現の自由を死守。

情プラ法は正式名称「情報流通プラットフォーム対処法」で、インターネット上の権利侵害情報への対策を目的とした法律。2024年5月17日に公布され、公布日から1年以内の政令で定められる日に施行される。

情プラ法については以下の動画に詳しい。

海外プラットフォーマーにモノが言えない日本

大屋雄裕 名古屋大学大学院教授(現慶応義塾大教授)は、グローバルなメディア企業が国家の垣根を超えて肥大化し、世界規模で影響力を持つ事態を中世のカトリック教会にたとえた(渡部明ほか『情報とメディアの倫理』ナカニシヤ出版)。

確かに国家を超える影響力は中世のカトリック教会を彷彿とさせるが、これには日本政府の対応も影響している。

若江雅子「膨張GAFAとの闘い デジタル敗戦 霞ヶ関は何をしたのか」(中公新書クラレ)(以下、「膨張GAFAとの闘い」)は、「はじめに」で以下のように指摘する。

(前略) 経済がグローバル化し、日本の消費者が海外からのサービスを日常的に享受するようになって久しい。海外事業者が日本人にサービスを提供する以上、日本のルールに従ってもらう必要があるのは明らかだった。それなのに、外国法人に法執行できない状況は放置され、適用できる法律を作っても実効性のある制裁の仕組みは用意されず、さらには外国法人に適用できる法があり、それを無視されているのに放置する―という驚くべき状況が延々と続いていた。日本はなぜ海外プラットフォーマーにモノが言えないのか。霞が関は何をしようとし、何をしようとしなかったのか—。