また、下院共和党≒トランプ支持ではない。
下院共和党内の構成は、大きく5つのコーカスがある。最も大きい勢力は1973年に設立されたthe Republican Study Committeeで下院共和党内の過半数をおさえているコーカスだ。一時期は消滅したこともあるが、2005–2007年には当時下院議員だったペンス元副大統領も議長に就任したことがある最大勢力のコーカスだ。
次に大きいのがメインストリート・コーカス(引用元:MAIN STREET CAUCUS)。残るは、the Republican Governance(火曜会)、the Freedom Caucus、超党派のProblem Solvers Cacusだ。
共和党内のフリーダム・コーカスについて少し書いておく。
2015年に設立された下院フリーダム・コーカスは、the Republican Study Committeeに所属していた9名が創設した。トランプ前大統領の首席補佐官を務めたメドウズ補佐官や、FL州デサンティス知事も創設メンバーだ。現在は抜けたが、下院司法委員会のジョーダン委員長も議長を務めた時があった。
ライアン元下院議長が下院議長をつとめた2015〜2019年から党内で衝突が絶えなかった。2015年には共和党ベイナー下院議長を辞任に追い込んだこともある。
フリーダムコーカスは所属している議員を招待した議員だけにしていて、名簿も非公開なのだ。そのため30~40名弱という表現をされることが多い。
彼らは連邦政府の権限に明確な制限を設けることを求めるだけでなく、中央に権力が集中することに強く反対する。連邦政府よりは州政府の権限が強い方をよしとし、それよりも個人の判断や市場原理に委ねることを第一義的に考える傾向がある。そのため、共和党指導部が権力を持ちすぎ、個々の議員の力が弱まるのにも強く反対してきた。