結局、トランプ次期大統領の呼びかけにも関わらず、債務上限停止の延長を含まない法案に多くの共和党議員が賛成票を入れた。

① 可決したAmerican Relief Act(H.R.10545) Further Continuing Appropriations Act, 2025 2025年3月14日までのつなぎ予算 Disaster Relief Supplemental Appropriations Act, 2025 NC州、SC州、GA州、FL州、OK州、その他西部地域へ1,100億ドルの災害支援 農業生産者への災害および経済支援として310億ドル FEMAの大統領宣言による主要災害(ハリケーン・ミルトンやヘレーネを含む)に関連する対応、復旧、緩和活動のために290億ドル 9月に期限が切れていた農業法(the Agriculture Improvement Act of 2018))を2025年9月30日まで延長 ※農業法に関しては、過去ブログ「9月の重要議案は政府閉鎖を防ぐつなぎ予算と農業法案の延長」を参照ください。 2025年3月31日まで 公衆衛生 プログラムを延長 パンデミックの時に拡大されたメディケアにおける遠隔医療プログラムを延長した。

地域医療センターおよび国立医療サービスへのプログラム延長 1型糖尿病患者と先住民のための特別糖尿病プログラムを延長 Medicare-Dependent Hospital (MDH) プログラムの延長

その他

崩落したMD州のフランシス・スコット・キー橋の再建費用

② 法案から除外された条項

2027年1月末まで債務上限停止を延長 →予定通り、2025年1月1日で債務上限の停止は終了。2025年1月2日、債務残高に基づいて新たな債務限度額が設定されることになる。 薬剤給付管理者(PBM)に対してリベートに関するより詳細な情報を提供することを義務付ける。スプレッド・プライシングを事実上廃止 ※スプレッド・プライシングとは、実際の薬局への医薬品償還価格よりも高く、利益を上乗せしてPBMがペイヤーに請求することを指す 連邦議員が年間17.4万ドルの基本給に自動的に生活費調整を受け取れるようにする条項。連邦職員医療給付制度(Federal Employees Health Benefits Program)への加入も可能になる。 中国への米国の投資、特にテクノロジー部門への投資を制限する条項 フードスタンプの給付金を盗まれた低所得者層に対する保護 リベンジポルノ公開を犯罪化する連邦法。SNSやその他Webに、被害者からの要請を受けて認められれば48時間以内に画像を削除できることを実現できるフローを構築。

③ 「American Relief Act」からは除外されたが、すでに下院で2024年に可決していた単独法案だったので、上院が12月20日に別法案として全会一致で可決した法案

the DC Robert F. Kennedy Memorial Stadium Campus Revitalization Act(H.R.4984) →ロバート・F・ケネディ・メモリアル・スタジアムを連邦政府の管理から99年間、ワシントンD.C.の管理に移管。管理が移管したことで、老朽化したRFKスタジアムの取り壊しが可能となり、その跡地をさまざまな用途で再開発できるようになる。 the Gabriella Miller Kids First Research Act 2.0(H.R.3391) ガブリエラ・ミラー・キッズ・ファースト研究プログラム(Gabriella Miller Kids First Research Program)に、2024年から2028年まで毎年1,260万ドルの資金を認可

不安定なトリプルレッドでのスタート。トランプ次期大統領とフリーダム・コーカスのバトルが再燃

繰り返しになるが、来年はオールレッドだが、2017年と比較して下院議会は議席を減らしてのスタートとなり、第一次トランプ政権の時よりも立法成果を出しにくい状況であることは間違いない。