マッカーシー元下院議長を議長として承認する代わりに、 下院議長解任の投票提案を1人の議員でも可能にすることを条件の一つとしたくらいだ。
また、政府の歳出削減を伴わない債務上限の引き上げに強く反対する。
フリーダム・コーカスは、トランプ次期大統領とも第一次政権の時に戦った。第一次トランプ政権が進めていたトランプ・ケアを廃案に追い込んだのもフリーダム・コーカスだ。トランプ前大統領には「フリーダム・コーカスは2018年の選挙で追い出すべきだ、共和党内で団結できないなら」ともツイートされたことがある※12)。
しかし、2024年になってもフリーダムコーカスを追放できないでいる。確かに2024年に議長だったボブ・グッド議員を予備選で対抗馬を支持して、落選させた※13)。デサンティスFL州知事をいち早く支持したグッド議員への報復でもあったわけだ。2022年よりは、若干弱体化したとはいえるが、勢力としてはほぼ変わらない。
フリーダム・コーカス所属メンバーの選挙資金の40%近くを小口献金が占めており、この小口献金率は他の共和党議員よりも多い※14)。これでは、落選させるのは難しいだろう。設立当時から比較すれば、明らかに縮小しているが全員追放するにはまだまだ時間がかかるだろう。
トランプ2.0の初年度に2025年度予算と債務上限問題に向き合う今回の「American Relief Act」の結果をふまえて、第2次トランプ政権の1年目に党内で意見がまとまらない二つのことに向き合う必要がある。
下院議長が決まらないと何もはじまらないが、なんとか下院議長を選出できたとして、年内にこれを不安定なオールレッドでどこまでまとまることができるか。
① 2025年3月14日:つなぎ予算の期限到来 →2025年の年度予算をまとめることができるか。
② 2025年6~8月頃:債務上限のXデーが到来 →イエレン財務長官は、2025年1月半ばごろから特別会計措置を取り始める公算が大きいと明らかにした※15)。 最終的なXデーは、Taxシーズン終了後の4月後半~5月に判明する見込み。