そして参加者ごとに時間観のパターンを分類したところ、「時系列的ストレス観」は次の4タイプに分けられました。

下降型:「未来にいくにつれてストレスは減る(少なくとも過去よりは増えない)」と考えるタイプ

上昇型:「未来にいくにつれてストレスが増える」と考えるタイプ

V字型:「今が1番ストレスが低くて、そこから過去と未来に離れるにつれてストレスが増える」と考えるタイプ

への字型:「過去のある1点でストレスが1番高く、そこから未来にいくにつれてストレスは減る」と考えるタイプ

参加者で最も多かったのはV字型でした。

AB:上から下降型・上昇型・V字型・への字型、C:青色の濃い右側から「深刻・中度・軽度」の先延ばしの割合
AB:上から下降型・上昇型・V字型・への字型、C:青色の濃い右側から「深刻・中度・軽度」の先延ばしの割合 / Credit: 東京大学 – 楽観的になれば先延ばし癖は改善する!? 新指標が明らかにする、「希望」の重要性(2024)

そして、この中で特に「未来にいくにつれてストレスは減る」と感じている「下降型」グループは、深刻な先延ばし癖を持つ人の割合が大幅に低いことが明らかになったのです。

反対に「未来にいくにつれてストレスが増える」と感じている「上昇型」グループは、深刻な先延ばし癖持つ人の割合が最も高くなっていました。

他方で「時系列的幸福観」については、下降型・上昇型・V字型・平坦型(どの時間軸でも幸福度は一緒)の4つに分類されましたが、先延ばし癖との有意な関連性は認められませんでした。

以上の結果は、未来のストレスに対して楽観的に考えている人ほど、深刻な先延ばしになりにくいことを示すものです。

逆に先延ばし癖のある人は、自分の将来について悲観的な見方をしすぎているのではないでしょうか。

実際「この先にストレスフルな出来事が待ち受けている」という考え方は、めんどくさがり屋や完璧主義者の基本姿勢にもつながっていると考えられます。

多くの作業は準備や取り掛かるまでが大変とよく言われます。