ジャンク屋にC3POといっしょに拾われた際に、制御装置を仕込まれていて、それをルークに取り外させるために釣り餌としてこのメッセージを見せた…と解釈可能ではあるが、それでも不自然さは消えない。
ルークに拾われなかったら、どうなっていたのだろう。
もし、老賢者に単身でたどり着けていても、彼を冒険に巻き込む展開はおそらくなかっただろうから、つまりルークの冒険譚としての「SW」は成り立たなかった…これは脚本の致命傷ではないだろうか?
ルパン三世がルークだったらさてこのシーン、もう一度ご覧いただきたい。
宮崎は、こんな風にイタダいている。
主人公に「姫を救い出さねば」とたきつけるアイテムとして、ロボットのR2と、この指輪は、同じ機能を担っている。
ただ、ルークの場合は、この立体映像録画がいったい何なのかわからず、砂漠の外れに暮らす謎の老人に聞きに行くしかないと考えるところで、いったん謎の詮索は打ち切る。
ルパンは指輪からすべてを悟る。「こ、この指輪は!」と。
ここです。昔、自分を救ってくれた優しい姫様の指にあった、あの指輪ではないか… これですべてを悟る。「花嫁姿で逃走し、船で連れていかれた…救いにゆかねば!」
ルパンの手に、指輪がわたるようにするには、どうしたらいいか?
R2はロボットだから、自分で動き回る。しかし指輪は動き回ったりはしない。 どうする?
宮崎はこうした! 姫様に手袋を脱がせる→指輪がいっしょに抜ける。
脱いだ手袋を手ぬぐい代わりにして…
ルパンを介抱する。
その後、彼女は船で連れ去られてしまって…
手袋はルパンのひたいに残される。
目を覚ましたルパン、手袋から指輪が転がり落ちてきて「何だろう?」と思う。
そして「ああ、この指輪は…」となって、姫様救出のドラマが走り出す。
ここがとろくさいジョージ・ルーカス「スター・ウォーズ」はというと、姫様救出のドラマ始動までにかなり時間がかかっている。