古巣の清水が買い戻す形で復帰したが、当時のラピードのスポーツディレクター、ゾラン・バリシッチ氏によれば、その際の移籍金は「数十万ユーロ」と語っており、ラピード側は“大損”した格好だ。以来、同クラブは日本人選手を獲得していない。
北川本人はその後大きく成長し、清水がJ2降格してもチームリーダーとしてイレブンを引っ張り、今2024シーズンには主将として、悲願のJ1昇格に導いた。
中島翔哉(浦和レッズ)
移籍元:FC東京(2014-2018)
移籍先:ポルティモネンセ(2017-2018、2021-2022)、アル・ドゥハイル(2019)、ポルト(2019-2022)、アル・アイン(2021)、アンタルヤスポル(2022-2023)
代理人に才能を潰された元日本代表「背番号10」
時には選手生命を左右する代理人の存在。しかし、FW中島翔哉ほど代理人によってキャリアのピークを無為にさせられたケースはないのではないだろうか。
中島は東京ヴェルディユース時代から注目され、2012年2月からトップチームに昇格。9月の天皇杯2回戦で初出場し、同月14日のJ2第33節アビスパ福岡戦でJリーグ初出場し得点を記録。さらにJ2第39節栃木SC戦では、18歳59日でのJリーグ史上最年少ハットトリック記録を塗り替えた。
しかし、東京Vではレギュラーポジションを掴みことができずに、ライバルのFC東京に完全移籍。カターレ富山へレンタル移籍を経て、FC東京に復帰し、J1リーグで51試合6得点を記録した。また、年代別代表に招集され続け、将来を嘱望されるアタッカーだった。
2017年8月、ポルトガルのプリメイラ・リーガ(1部)ポルティモネンセへレンタル移籍する中島。これを手引きしたのが、中島の代理人でありながら、ポルティモネンセの大株主でもあるテオドロ・フォンセカ氏だ。