単独の場合、約80%の人が15回以内のトライ(T字ブロックを動かした回数)で運搬に成功しましたが、コミュニケーションが遮断された大グループでは、15回以内での成功率が40%以下にまでガタ落ちしたのです。
これについて研究者らは、人数が増えるにつれて自分が動きたい方向が各人でバラバラになり、進みたい方向の対立がチーム内で強くなって、統率性が低下していたからだと説明しています。
Ants and humans share a rare ability: each can work together in groups to mobilize oversized objects. In a new @PNASNews study, Prof. @feinermo and his team explored this, uncovering surprising insights into the strengths and challenges of cooperation >> https://t.co/Z63V4Ka2kL pic.twitter.com/KFKmU4b8Sx
— Weizmann Institute (@WeizmannScience) December 23, 2024
しかし対照的に、アリは数が増えれば増えるほど、運搬の効率性が高まっていきました。
アリ集団の動きを分析してみると、複数回のトライの中で見出された最適な運搬ルートが集団内の全員で共有される現象が起きていることがわかったのです。
その結果、人間の集団とは違って、全員が一定の方向に荷物を進めることができ、運搬の効率性が向上しているのだと考えられます。
研究主任のオフェール・ファイナーマン(Ofer Feinerman)氏は「アリのコロニーは実のところ、みな家族なのです」と指摘します。
「荷物を運搬する働きアリはすべて、同じ女王アリから生まれた姉妹であり、生まれながらに共通の目的意識をもっています。