食材が食べられるよう加熱され、衣の水分が飛散する=天ぷらが揚がるということです。

水分飛散率が80%に達するために要する時間は、馬鈴薯でんぷん、いわゆる片栗粉で80秒、タピオカでんぷんでは約100秒、モチトウモロコシでんぷんでは100秒間揚げても、水分飛散率は50%を越えなかったという結果が出ています。

つまり、小麦粉を一部グルテンフリーな澱粉に置き換えるとしたら、トウモロコシでんぷん(コーンスターチ)が一番適切だということになりますね。

これでグルテン対策ができました。残り、気を付けることは

揚げる食材に適した油の温度(高すぎても低すぎてもいけない。特に低すぎると水分が飛散する前に衣がたくさんの油を吸ってしまう)

一度にたくさん揚げない(一気に油の温度が下がってしまうため)

となります。

では、調理実習!

ここまでわかったことで、せっかくなので天ぷら粉を自作して、サクサク天ぷらを揚げてみることにします。

さらに、自宅で天ぷらを揚げることをためらうもうひとつの理由、油ハネをできるだけ抑え、調理後の油の処理もラクにするため、揚げ油も極力少なくしてみます。

レシピです。食材はあえて水分を感じる軟らかめのものにしてみました。

サクサク天ぷら

■材料(2人分)

・ちくわ 3本

・ナス 1/2本

・たまねぎ 1/4個

・マイタケ 1/2パック

・薄力粉 大さじ3

・コーンスターチ 大さじ1

・マヨネーズ 大さじ1

・冷水 大さじ4

・油 大さじ5

※グルテンの生成を抑えるため冷水を使用

小麦粉を加えたら箸でざっと混ぜる。こんなふうにダマがあって構わないのは、タネに衣をつけていく過程でも混ざってしまうため
小麦粉を加えたら箸でざっと混ぜる。こんなふうにダマがあって構わないのは、タネに衣をつけていく過程でも混ざってしまうため / credit: ナゾロジー編集部

■作り方

(1) ちくわを縦半分に切る。ナスは適宜スライスする。たまねぎは輪切りにして串を刺しておく。マイタケは適宜ほぐす。

(2) ボウルに冷水とマヨネーズを入れて完全に混ざるまでよく混ぜ、コーンスターチを加えてさらによく混ぜ滑らかにする(泡立器がよい)。