サッカーファンの後押しさえ取り付ければ、あとはいかにして“ラスボス”のUEFAを説き伏せるかが焦点となる。前述したECJ判決を盾に、法廷闘争も辞さない構えでコンペティションの譲渡を迫る可能性もある。そして「無料配信」となれば、欧州のみならず日本も含めた世界中のサッカーファンにとっても、一気に身近なサッカーコンテンツとなるのは必至だ。
欧州サッカー界を一新するのか
一方で、ヨーロピアン・リーグスは過密日程による選手の健康を守るためとして、FIFPROヨーロッパを取り込んでFIFAを相手取り、EU内の欧州委員会に異議を申し立てている。しかし、選手に過密日程を強いているのはUEFAも同じことだ。こうなるともはや、UEFA、FIFA、A22(ユニファイ)の三つ巴の争いとなり、訳が分からなくなっていく。
現時点ではスペイン3強(レアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリード)の他には、スーパーリーグ構想でも名前が挙がったプレミアリーグ6クラブ(アーセナル、チェルシー、リバプール、シティ、ユナイテッド、トッテナム)とセリエAの3クラブ(ミラン、インテル、ユベントス)が創設メンバーとなっているユニファイリーグ。
アメリカの投資銀行大手JPモルガン・チェースが50億ドルの資金提供を約束したことで、現行のCL以上の賞金が支払われることになれば、風向きが変わる可能性もあるだろう。
3年半前は“絵空事”として、相手にもされなかったスーパーリーグ構想が、名称と大会方式、多額の賞金、無料配信を武器に、欧州サッカー界を一新するのか。今後の動きに注目したい。