その為に、彼が首相に任命したのはギリェルモ・フランコというベテラン議員だ。フランコ氏は議員生活が長く、キルチネール派の本流正義党で大臣も経験した人物で交渉力が優れている政治家だ。フランコ氏を介して野党議員も重要な法案の可決に味方につけようというやり方である。実際にそれが上手く行っている。

それに加えて、7月から新たに加えたのは規制撤廃や規制の構造改革を担当する省を設けた。このポストにはマクリ元大統領の政権時に中央銀行の総裁を務めたフェデリコ・シュルツネゲール氏を任命した。

シュルツネゲール氏は自らが規制撤廃に関しての分厚い白書も作成したことのある人物で、この分野については最も優れた人物だと評価されている。実際、必要でない規制の撤廃を開始している。最近も70項目の規制撤廃が予定されている。まだ3200項目の規制の構造改革が必要とされている。また公務員の削減に就いては24万2000人がこれまで解雇された。

なぜ無駄な公務員がなぜこれまで多くいたかというと、キルチネール派の政権下では票を入れてくれる代わりに公務員の職を提供していたということからだ。

ミレイ氏による思い切った政策そして実行が功を奏して今年5月からインフレは4%台まで低下し、11月のインフレは2.4%となっている。昨年12月にフェルナデス前大統領から政権を引き継いだ時は25.5%であった。それが1年で23%低下させたのである。

しかし、インフレを撲滅させるまでの道のりはまだ遠い。フェルナデス前大統領の政権下でのインフレは211%、今年は130%にまで下がる予定で、来年は35%が見込まれている。しかし、アルゼンチン経済が大きく好転しているということから外国からの投資も来年はスペイン大手銀行BBVAは15%の投資の増加が見込まれているとしている。

未だ重要な問題の解決がある。その一つが貧困層を減らすことである。ミレイ氏の補助金の削減などで貧困層が60%近くまで増加している。しかし、国全体の経済が回復すれば、自ずと貧困層も減少するはずだと見ている。

来年は税金の90%を撤廃させる