今回のヒト細胞の共鳴周波数の発見は、将来の医療技術の基礎となり得る重要な発見と言えるでしょう。
しかし1細胞レベルの共鳴周波数を特定するには、極めて高い精度が求められます。
細胞の共鳴周波数について1950年代に言及されて以降、これまで生細胞で実証されてこなかったのも、計測する方法がなかったからと言えます。
研究者たちはいったいどのようにして生きている細胞の共鳴周波数を突き止めたのでしょうか?
今回はまず共鳴周波数の正体について解説しつつ、後半で研究成果の詳細を紹介したいと思います。
研究内容の詳細は『PRX Life』にて公開されています。
目次
- そもそも共鳴周波数とはいったい何なのか?
- ヒト細胞の共鳴周波数を特定する
そもそも共鳴周波数とはいったい何なのか?
多くの人にとって「共鳴周波数」という言葉は聞き慣れたものでしょう。
音叉の振動が離れた場所にある別の音叉を共鳴させたり、オペラ歌手の声がワイングラスを割るといった映像を見たことがある人もいるかもしれません。
しかしなぜ共鳴周波数が物体の振動を引き起こしたり、破壊したりするか、その根本的な仕組みまで理解している人はあまりいないのではないでしょうか?
そこで「ヒト細胞の共鳴周波数」について紹介する前に、共鳴周波数の正体を簡単に解説したいと思います。
まず鍵となる知識として「どんな物体にもバネやブランコのような性質がある」ということがあげられます。
子供が乗っているブランコを押すとき、滅茶苦茶なタイミングで押してもブランコはどんどん失速してしまいます。
しかしブランコの揺れにあわせてタイミングよく押すと、ほんの僅かな力でも(指先だけでも)ブランコの揺れをどんどん大きくすることができます。
硬い鉄球も、高価な壺も、巨大なレンガ造りの建物でも、全ての物体には「固有の振動のしかた」が存在します。