スペナザットは「ディオッサ悲願のなでしこリーグ昇格という歴史的偉業達成に貢献した。ファンに感謝し、人として、プロとしての信念と人格を失わずに胸を張って去る」と語り、タイスも「明確な良心と、最後には必ず真実が現れるという確信を持って仕事を続ける。ファンの皆さんに感謝したい」などとクラブを通してコメントした。
これに対しクラブ側は「なでしこ参入のため、チームのために出雲でサッカーに取り組んでいただき感謝したい」と話しているが、禍根が残されたままでの退団劇には強烈な違和感を覚えざるを得ない。ディオッサ出雲は、2選手が告発会見を開いた11月6日から堺監督が活動を自粛していたが、わずか8日後の11月14日から復帰している。
11月23日の皇后杯2回戦(ヴィアマテラス宮崎戦/0-6)で敗れ、今2024シーズンを終えたディオッサ出雲。告発を受けた堺監督は「暴力だったり、言葉の暴力だったり、差別だったり国もそうですし、年齢もそうですし、すべてに差別のない、それはスポーツの一番の魅力だというふうに思っていますので、私は今もそして過去もこれからもしっかりと指導者として誠実に向き合っていきたいと思っています」と胸中を明かしたが、今となっては“どの口が…”という印象しか残らない。
12月23日に更新されたクラブ公式ブログでは、MF浅海早希の言葉でシーズン報告会の様子が写真と共に伝えられているが、当然ながら、告発した2選手の姿はなかった。
ジェンダーギャップ指数とスポーツ界は連動
問題はこの後だ。2選手の去就は未定だが、母国ブラジルに帰ったとしても、他の国のリーグに移籍したとしても、日本で味わった屈辱の日々をメディアを通じて告発する可能性があるだろう。また、弁護士を通じて国際サッカー連盟(FIFA)に被害を訴えたり、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴することも考えられる。我々日本人が考えるよりも、世界におけるジェンダーギャップに対する考え方は厳しい。