堺監督はクラブからのヒアリングに対し「(セクハラ発言は)言っていない」と話したものの、その後の弁護士を介したヒアリングでは「一部の発言はあったが、選手には言っていない。個人的に発したことはある」と遷移が見られた。また、通訳帯同義務の不履行については「通訳を探すのが難しかった」と渡部理事長が認め、1人当たり25万円の損害賠償をする意向だと語っていたようだ。
2選手の代理人弁護士は「今後の対応によっては訴訟も提起したい」と語る中、12月16日になって、クラブ側が「ハラスメントに相当する事実は認められなかった」との見解をホームページ上で明らかにした。これはクラブが委任した弁護士による第三者的な視点から調査した報告書が提出されたのを受け、発表されたものだ。
それによると、2選手が訴えているパワハラやセクハラなどについて「不適切な点はなかった」とする報告書の内容を支持するという表現で、ハラスメント行為自体を否定するものだった。この調査報告書はリーグ側に提出されるため、報告書の詳しい内容は公表しないとしている。
なお、通訳帯同の契約が果たされなかった事案については、クラブが落ち度を認めているため、報告書の対象外としている。クラブは今後の対応について「リーグにはクラブが把握している事実関係を可能な限り報告しており、事実調査に全面的に協力する」と話した。日本女子サッカーリーグもクラブによる調査とは別に2選手を含め、所属選手へのヒアリングを進めていた。
2選手の代理人弁護士はクラブ側のこの見解について「受け入れられない内容で、リーグの調査に協力する」と語っている。
禍根が残されたままでの退団劇
そんな中での2選手の契約満了は、要するに“クビ宣告”と言えよう。2022年8月にプロ契約で入団し、中心選手として活躍していたにも関わらずだ。契約満了通知は2選手本人ではなく、代理人弁護士に送付されたという。