彼らは必要に応じて最終ラインに戻ることもあったため、ビラのブロックは事実上2ラインになることもあった。そしてそのスペースを埋めるため、10メートルほどの非常にコンパクトな布陣を形成することさえした。
狙いすまされたビラの1点目
ビラの1点目は非常にダイレクトで洗練されたものに見えた。GKエミリアーノ・マルティネスから、ティーレマンス、さらにロジャーズ、そして最後にFWジョン・デュラン。自ゴールから相手のゴールまで、たった3つのパスで到達した。
【4-3-3】のままプレスをかけるシティ。3トップでディフェンスラインに圧力をかけ、ビラのダブルボランチには、ギュンドアンとフォーデンがマークについた。シティのインサイドハーフ2人が深くまで、ダブルボランチに食いついた後ろには、ぽっかりとスペースが空いた。そこで受けたティーレマンスが反転し、ロジャーズにスルーパスを出した時点でほとんど勝負はついていた。
ティーレマンスに対して、シティのセンターバックDFジョン・ストーンズがカバーに出るが距離が空きすぎており、止める事はできなかった。その位置を守れるアンカーのコバチッチは内側に入ってくるロジャーズを見ていた。
ビラ【3-2-5】のメリット
ビラの1点目は【3-2-5】の布陣のメリットがそのまま出た得点でもある。ビラを見ると、ダブルボランチとトップ下のティーレマンス、ロジャーズは四角形を形成する。これに対して、シティはフォーデン、ギュンドアン、コバチッチの3人の中盤で対処することになる。
余った1人をフリーにするわけにもいかないので、センターバックが出てこざるを得なくなるシティ。しかし、今回のようにスペースが広いとセンターバックがカバーをするのは難しく、また食いつきすぎると最終ラインに穴をあけることになってしまう。