実験では、同シリーズのファンである19人の男女を参加者とし、最初に日常的な孤独感を測定するテストを受けてもらいます。
次に、脳活動をfMRI(磁気共鳴機能画像法)装置でスキャンしながら、自分のこと・現実の友人のこと・『ゲーム・オブ・スローンズ』に登場するキャラクターのことを考えてもらいました。
(具体的なキャラクターは、ブロン、キャトリン・スターク、サーセイ・ラニスター、ダヴォス・シーワース、ジェイミー・ラニスター、ジョン・スノー、ピーター・ベイリッシュ、サンダー・クレゲイン、イグリットなど)
シーズン7に登場するキャラクターの相関図は、こちらのスター・チャンネルからご覧いただけます。
また参加者は事前に、どのキャラクターに最も思い入れがあるかもアンケートで報告しました。
孤独な人ほど「現実の友人」と「架空のキャラ」を考える脳活動の境界線が曖昧
チームが脳スキャンで注目したのは「内側前頭前皮質(mPFC)」と呼ばれる脳領域です。
ここは自分や他人のことを考えると神経活動が活発化することで知られています。
fMRI装置の中で、参加者は一連の名前をランダムに見せられて、その人物について考えるよう指示されました。
ときには自分自身の名前、ときには実際の友人の名前、そして『ゲーム・オブ・スローンズ』に登場するキャラクターの名前です。
それぞれの名前の下には「賢い」「哀れ」「信頼できる」などの特性が書かれており、参加者はそれが名前の人物を正しく言い当てているかについて考え、合致すると思えば「イエス」、不適切であれば「ノー」と答えます。
その際の脳活動を計測した結果、日常的な孤独感のスコアが高い人と低い人では、脳活動にハッキリとした違いが見られたのです。
まず、孤独感の低い参加者においては「現実の友人」と「架空のキャラ」を考えたときのmPFCパターンが明瞭に区別できました。
これは彼らが実在の人物と架空の人物との間に意識的な境界線を引いていることを示します。