筆頭秘書官は防衛省出身の槌道(つちみち)明宏氏と、政策秘書でマスコミ対応には定評のある吉村麻央氏で首相の気心は知っているが、永田町や霞ヶ関でのネットワークは貧弱だ。
各省庁からの秘書官は以前からの知己ではないので、顔と名前が一致するにも時間がかかったという。斎藤健などかつて石破派から出ていった議員を呼び戻したり、林芳正官房長官にもっと権限を与えたりしたらと思うが実現しない。
ドナルド・トランプ次期米政権対策としても、安倍政権を支えた議員に活躍の場を与えるべきだ。少額の不記載で自身も比例重複から外れた稲田朋美氏は「みんな不利な条件で選挙をして勝利したのだから、もう区切りとすべきだ」と若い議員を気遣う。
トランプ政権とは太いパイプを持ち、いまこそ活躍すべき西村康稔元経産相は、党の処分が継続しているので「エネルギーなど政策面での活動で輪を広げたい」というが、惜しいことだ。
安倍元首相の妻、昭恵さんの斡旋(あっせん)で、やっとトランプ大統領との会談が実現しそうな石破首相が、挙党態勢に踏み切らないとすれば、虫が良すぎるし、トランプ大統領の不信を買うだろう。
派閥解消も、私は拙速に過ぎたと思う。清和会は、不記載問題の責任の所在を明らかにし、けじめをつけないまま解消したので曖昧になった。むしろ、存続させて、徹底的に不記載継続の経緯について明らかにさせるべきだった。
派閥の完全復活はともかく、他党と同じような党内グループはあっていい。落選した若い政治家の再起を支援するためにも、グループとして行動すべきだと思う。
特に、日本保守党、参政党、国民民主党などに票が流れないための防波堤としても、清和会をはじめとする保守派グループはあった方がいい。
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