立憲民主党に対しては、いつまで文句を言う「だけ」の政治「しか」できないんだ?と言う素朴な疑問と、立憲民主党に対する不信感の表象が、支持率逆転の現実だろう。

立憲民主党は、この現実を直視しない限り、もはや野党筆頭などと胸を張って言えなくなるだろう。

もう一つ、国民民主党の主張の重要な点が、財務省と自民党税調の暴走を止めるのは、当たり前だが国会議員だということを示したことだろう。

衆院選で飛躍的に議席数を伸ばした国民民主党は現実を見据え、合理性のある政策を打ち出し、今の日本経済全体に何が必要か?実質賃金が上昇しないそもそもの原因とその突破口は何か?を示したことが、今の支持率上昇に繋がっている。103万の壁を178万に引き上げることの意味と、その根拠を示したことで、有り体に言えば、今の実質賃金低下の原因の一つが、103万の壁であることを国民に気づかせてくれた。

これを知っていた国会議員、特に自民党議員も、どうしてこの点に切り込まなかったかと言えば、それこそ自民党税調と財務省とのズブズブの強固な関係性であり、税制改正の問題は複雑で専門性が高く、にわか知識で語れるほど簡単な問題ではなく、ある種の伏魔殿になってしまっていた。いわんや、財務省から直接的に情報を得られないし、聞いてもなんのこっちゃサッパリ理解できない立憲民主党議員など、到底、この伏魔殿に切り込もうなどとは考えなかった。

この伏魔殿こそが、30年以上にわたるデフレ不況の一つの要因だと言えなくもない。デフレが当たり前の社会になると、如何に生活コストを抑えるか?が家計の課題となる。必然、安かろう悪かろうを許容するあまり、物の値段が上がりにくい社会になってしまう。