これで大会を通じて全4試合連続無失点の明大。一方で、ここまで全2ゴールと得点力不足が課題だが、主将を務め、背番号10を背負うFW中村草太(サンフレッチェ広島内定)や、FW熊取谷一星(東京ヴェルディ内定)、副将でFC東京U-23時代の2019年、Jリーグ・アンダー22選抜の一員としてJ3リーグ戦に出場経験のあるMF常盤亨太(FC東京内定)ら、タレント揃いの攻撃陣の爆発が待たれる。
現役プロ選手輩出数最多の明大
明大サッカー部は栗田大輔監督の下、約60人の部員で活動している。部員3桁が当たり前の強豪大学の中ではやや少ない印象(筑波大の部員数は約160人)だが、65人にも上る現役プロ選手を輩出しており、その数はもちろん日本一だ。
Jリーガーのみならず、セリエAを皮切りに欧州(トルコ、フランス)を渡り歩き、38歳となった今でも日本代表に名を連ねるDF長友佑都(FC東京)を筆頭に、ブンデスリーガ2部ハノーファー96に所属する元日本代表DF室屋成や、Jリーグを経ずにブンデスリーガのヴェルダー・ブレーメンに加入したFW佐藤恵允も明大出身だ。
栗田監督にプロ経験はないが、サッカーでも進学実績でも名門として知られる静岡県立清水東高校出身で、1学年下には相馬直樹氏(来季から鹿児島ユナイテッド監督兼GM)、2学年下には野々村芳和氏(現Jリーグチェアマン)などと切磋琢磨していた。全国高校サッカー出場はならなかったが、明大に進学してサッカー部に入部。卒業後は清水建設に入社した。
明大で長く監督を務め、当時J3のグルージャ盛岡も指揮した神川明彦前監督(現なでしこリーグ・スフィーダ世田谷監督)がユニバーシアード日本代表に就任したことで、2013年にコーチ、2014年は助監督を務めていた栗田氏が、2015年に後任として監督に就任。当時、既に勤務先の清水建設では提案営業部長の職にあったが、社業と指導者を兼任する“サラリーマン監督”だった(後の2022年には清水建設を退社し、「株式会社フットランド」を設立、自ら代表取締役となる)。